特養職員紹介⑧

お世話になっております。特養スタッフの後藤です。

早いもので特養職員紹介シリーズも8回目を迎えました。個性のある出演者に恵まれ、色とりどりの記事をお送り出来ている事、大変うれしく思っております。今後とも暖かく見守っていただけると幸いです。

今回は、2019年度の新卒採用、今年度よりキャリア2年目のシーズンを迎えられました、今蔵彩弥さんにお越しいただきました。

後藤:よっしゃあ!今蔵さん!よろしくお願いします!

今蔵:お願いします(笑)勢いがすごい(笑)

後藤:今蔵さんは昨年度入職の2年目…なんか、あっという間にルーキーイヤーが終わりましたね。

今蔵:怒涛のように過ぎていきました。

後藤:今蔵さんって、福祉の専門学校卒ですよね?高校を卒業するときには、介護職を目指されていたんですか?

今蔵:いえ、実は高校を卒業したら就職しようと思っていたんですが、当時の担任の先生に介護職ないし介護の専門学校を勧められて、一度オープンキャンパスに行くことになったんです。そこで「卒業旅行はアメリカに」というワードに引っかかって興味を持ち始めて(笑) その後学校のPRで「夢をかなえようプロジェクト」で高齢の方がもう一度結婚式を挙げるという企画を見せていただき、とても感動したこともあって介護職への道を志すことになりました。親は「あんたに介護なんて出来るの?」と最初は反対していましたが、引くわけにもいかず(笑)

後藤:そうなんですね。専門学校での勉強はどうでしたか?

今蔵:実は最初、国語や数学といった教科があるとおもっていたんです(笑)だからいきなり福祉の教科書を渡されたときにびっくりして「私ってなんの勉強しに来たんやったっけ?」と軽くパニックになりました(笑)

後藤:OGの鑑ですね。在校生に勇気と希望を与えてくださる(笑)

今蔵:でも、勉強したことが実習のなかで「なるほど、このことか」となることが多くて、そこで初めて勉強してきた事の意味を理解することが出来ました。そういう風に勉強した知識と実際の現場が自分の中で繋がっていくときは面白かったです。

後藤:学生のうちに現場を見て学ぶことが出来るというのは、専門学生の特権かもしれませんね。そうこうしているうちに、例の「サラージュ秋祭り」が来たと。

今蔵:そうです(笑)私がサラージュに入職させていただくきっかけとなった、施設行事(秋祭り)にボランティアとして参加させていただきました。

後藤:実は僕はその秋祭りの後くらいにサラージュへ異動となったので、その時のことは知らないんですが、「来年は秋祭りの子が来るよ!」「秋祭りの子が来てくれるらしいで!」と、「秋祭りの子」がいったい何なのか当時はずっと疑問だったんですが、今蔵さんの事だったんですね(笑)

今蔵:私、特別何かしたわけではないんですよ(笑)普通にあいさつして、お手伝いさせて頂いて。職員さんとの話の中で「家が近くなんですー」って言っただけで「え!そうなん!じゃあうちにおいでや!」と、全フロアに紹介しに連れていかれて…2階、3階とまわる頃には「来年うちで働くってー!」といつの間にか入る前提になっていました…(笑)

後藤:不憫でしょうが、有名人になってましたよ(笑)

今蔵:いやでもまあ、そのおかげで今こうして楽しく勤めさせて頂いてるので、感謝してます、はい(笑)

後藤:まあちょうど今蔵さんが入職のころには慶生会とタッグを組む時期でしたから、拠点の大阪市や大東市に同期の方がいっぱい居る形になりましたけど、どんな感じでした?

今蔵:法人が実質合併する話は聞いていたので、同期が多いことは素直に嬉しかったです。自分と同じように専門卒が多いのかなーと思っていたんですが、大卒や見るからにスポーツマンの方も居て、驚きました。

後藤:体育会系の方も多いですよね。今蔵さんの代の男性はみんなシュッとしててカッコいいです。あ、そうそう、研修はどうでした?

今蔵:研修は約1ヵ月施設とは離れたところで、社会人としての心構えや考え方、礼儀作法やマナーを学ぶんですが、グループワークがすごく多かったのが印象的です。最初は緊張して話したりするのが苦だったんですが、回を重ねるごとに楽しくなってきて、研修の後半にはグループ替えすら楽しくて、「次は誰とかな~」とワクワクするくらいになってました。

後藤:施設長とも話してたんですが、今蔵さん、研修の前後ですごく変わりました。表情も雰囲気もすごく良くなってて、「どんな研修なんやろー」ってすごく気になってたんですよ。

今蔵:前の記事(特養職員紹介⑥)にも載せてくださってましたけど、今年新卒の佐々木さんと小守さんも研修を経てすごく変わりましたよね。私もそれは感じました。

後藤:いい研修なんでしょうね。僕のときには無かった研修なので、皆さん凄くラッキーだと思います。

今蔵:同期との仲を深める意味でも、あの研修はすごく良かったと思います

後藤:それを経て施設に戻ってくるわけですが、ギャップとかどうでした?

今蔵:それまでは同期相手にリラックスして話せていたので、年上の方とのコミュニケーションの取り方に少し戸惑ったかなあと思います。

後藤:当時はダントツ最年少でしたしね。

今蔵:はい、今でこそ今年新卒のお二人はじめ、年齢の近い方が増えたので嬉しい限りなのですが、当時は誰と話すにしても少し緊張感はありました。まあ、最初だけで、慣れてきたら全然平気でしたけど(笑)

後藤:基本的にみんなフレンドリーですからね(笑)そのなかでも、今蔵さんにOJTで付いてくれたのは…山本さん(特養職員紹介④参照)か。

今蔵:はい。山本さんです。私に山本さんが付いてくれてよかったです。丁寧に仕事を教えてくださいましたし、今でも相談しやすい人で居てくれてありがたいです。山本さんがいない時は不安でしたし、本当に大きな存在でした。

後藤:う~ん…

今蔵:…どうしました?

後藤:あ、いや、なんか、僕のブログ、3回に1回くらい「山本さんを褒めちぎる回」になる傾向があるんで、どうしたもんかなあと…

今蔵:いいじゃないですか(笑)本当の事ですし。今は私より後に入職した方に仕事を教える機会もあるのですが、やっぱり「山本さんが私にしてくれたこと」が何をするにも基本となってます。

後藤:そうそう、今では今蔵さんが佐々木さん達にとって「先輩」でもありますもんね

今蔵:先輩らしくなんて出来たことは無いですし、人に教えるという事が元来得意ではないので、きちんとできているか不安ですが、昨年度の途中から須田さんや水谷さんなど、年齢の近い方の入職が増え始めたときに、「自分がしっかり伝達していかないと」と責任感が芽生えました。

後藤:ご不安でしょうが、大丈夫ですよ。「今蔵さんの説明が分かりやすい」って評判です。よく耳にします。

今蔵:本当ですか?(笑)心配です。

後藤:毎回皆さんに聞いているんですが、介護職のやりがい、と言ったら、今蔵さんは何でしょうか?

今蔵:私はご入居者とお話が出来るだけで楽しさを感じているのですが、一人一人日々の変化というものが必ずあると思います。その変化に気が付き、適切に対処出来た時は嬉しいですし、それこそ本人のニーズを汲み取って、思いを実践出来たりすることがやりがいかなと思います。あとは、いわゆる最期の瞬間まで生活のお手伝いをさせて頂くのが我々介護職、特養の役目でもあると思うのですが、先日私が勤務している最中に、私が名前を呼び続けているなか最期を迎えられたご利用者がおられました。その時はその後の対応も必死だったので、感傷…ということでもなかったのですが、思い返すと、あの瞬間に関われるという事がどれだけ貴重で、尊いものなのかを改めて考えさせられました。ここに至るまでのケアひとつひとつを大切にしないといけないと思いましたし、改めて日々のコミュニケーションや関わりがどれだけ大事かを理解することが出来た気がします。

後藤:いわゆる「看取り」ですね。仰られる通り、病院ではなく自宅や施設で最期を迎えられるというニーズが近年で増えてきており、それを実践するための働きかけというのが我々福祉従事者にも求められてきています。そのなかでも特養は要介護度の高い方が入居されることが多いので、特に看取りを実践するための環境を整える必要性は、ご多分に漏れず我々にもありますね。

今蔵:まだまだ勉強中のみではありますが、この経験は自分の中ですごく大きくて、死生観…というのでしょうか、介護感を大きく考えさせられる出来事でした。

後藤:デリケートな部分ですし、人それぞれこの看取りに関しては価値観も違うでしょうが、ご入居者、ご家族が納得いく最期を、と考えたときに何をすべきかは、特養に従事する職員として追及していきたいですね。

今蔵:はい。今の時点でも「もっとこうしとけばよかった」と思うことがあるので、それを今から実践していきたいと思っています。

後藤:最後に、今後の目標を教えて頂いてもよろしいでしょうか。

今蔵:ご入居者に対するケアの幅を広げるという事と、新人職員さんへの指導をより良いものにするのが直近の目標です。一応私がOJTという形で今年入職の佐々木さんに付かせて頂いていますが、私から見た山本さんのような存在に自分がなれているかと言われると、自信がないので…。「なんとなくこんな感じで」ではなく、自信を持って指導するためにも、その指導の根拠、ケアの根拠をしっかり説明できるようになりたいです。また、実務経験が必要なので数年先の話にはなりますが、長期的にはケアマネージャーの資格取得を目指して、職務の幅も広げていきたいと思っています。

後藤:今の課題を的確に把握するだけじゃなく、将来の姿をしっかり見据えておられてすごいですね…。それでは今蔵さん、ありがとうございました!

今蔵:ありがとうございました。

柔和なお人柄と丁寧な接遇、聞き取りやすくて優しいお声掛けは「そりゃあファンも増えるわな」と納得のハイクオリティ。バランス力の高さ、周りを冷静に見ながら場面に合わせた行動がとれる能力を目の当たりにしたときは、「今蔵さんが来てくれて本当によかった」の一言に尽きます。可能性は無限大、これからの活躍に期待のみんなの推しは、サラージュの宝です。

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